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『広報やず 令和3年9月号』に、「空き家」に関する特集記事を掲載しました。
実際に空き家バンクを利用した所有者の声をはじめ、さまざまな空き家の活用事例をご覧いただけます。
空き家バンクのご利用をお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
[PDFファイル/1.71MB]
(画像クリックで、記事PDFが表示されます。)
※補助制度等は情報は、記事掲載時点(令和3年8月)のものです。
誰も住まなくなった空き家を必要としている人たちがいます。
広すぎたり、修繕が必要だったり、誰も使わないんじゃないかと諦めていた空き家も少しずつ活用が進んでいます。これらの事例を参考に、利活用を考えてみませんか。
両親が住んでいた家を将来自分が管理していくことに不安を感じていた林さん。空き家になる前から家族で相談し、思い入れのある大切な家を「残す」ことを選択。「登録するだけしてみよう」と、広報誌で偶然見かけた空き家バンクに登録しました。
そこからは順調に、登録後数カ月で1組目の入居者が決まり、現在は2組目、神奈川県から家族5人で移住した中村さん親子が入居中。近所に住む人からも「賑やかになったよ」と声を掛けられたといいます。
定期的な管理の負担もなくなり、思い出の詰まった家が守られ、故郷も守られていく。家財の片付けや修繕の負担はあるものの、「壊してしまう前に、ダメ元でも空き家バンクに登録してみては」と話します。
「広すぎて使えない」と言われ入居者が見つかっていなかった空き家が、保育施設「ふくはうち」に生まれ変わりました。
空山ぼくじょうようちえん「ぱっか」の園長である石井さんは、子どもたちがのびのびと過ごせるもう一つの「居場所」を探していました。広くて、管理が行き届きすぐに使える状態だった空き家に「大切に使われてきたことがわかった」と、一目で気に入ったといいます。所有者が活動に理解を示されたことも決めての一つ。
さらに「幼稚園留学」やワーケーションの宿としての活用構想もあり、夢が広がります。静まり返っていた空き家に、子どもたちの声が響き、地域にも賑わいが波及しつつあります。
郡家駅近くの住宅街を歩いていると現れる「創作・寿司 dining魚魚(とと)」。
店主の清山さんは、昨年まで大阪の寿司屋に勤務していましたが、コロナ禍やいろいろなタイミングが重なり、移住と独立開業を決意。数年放置されていた空き家を全面的にリフォームし、母屋をモダンな雰囲気漂う店舗に、離れを自宅として活用しています。
古い家屋の改修や、知らない土地での開業は、苦労の連続だったようですが、思い切りのよさと忍耐力で乗り越えオープンにこぎ着けました。安易な気持ちで空き家を利活用することはオススメできないとしながらも、「もっと若い人が集まり、さらに飲食店が増え、まちが元気になれば」と語ります。