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「移住風景~八頭町地域おこし協力隊活動の現場から~令和7年9月号」を掲載しました。
夏休みの時期に入ると、観察会や水辺体験が増える時期になります。幼稚園や小学校の子供たちと、川や田んぼの生き物を観察したり、屋内で生き物の勉強をしたり、内容は様々です。
ふと自身の幼少の頃を振り返り比較してみると、最近は水辺の生き物と触れ合う機会はとても減ったなと感じます。とはいえ私が小学生だった20年前の時点で、「水辺は危ないので行ってはいけません」と教わっていたので、先生たちの言いつけを守ってなかっただけかも知れません。確かに野外活動には危険が数多くあります。ただ、だからといって大人が毎回ついて行ける訳でもないですし、釣りをしたり、水路で遊んだり、水辺と接する機会はとても減っているように感じます。
しかしながら、やはり八頭町というこれ程までに面白い環境で外に出ないというのは勿体ない。先日の図書館の周りの生き物を見つけて本で調べようという観察会では、僅か30分程度近くの田んぼを探しただけでナマズやタイコウチ、カエルなど20種類も見つかりました。私の故郷ではぜいぜい4~5種類見つければ良い方です。
また八東川の観察会でも、漁師が投網で捕ったアユを皆で焼いて頂きました。人数の倍ほど焼いたのに一瞬で無くなってしまいました。アユも街で買えばそこそこな値段がします。そんなアユが網を打てば簡単に捕れてしまう。いつも眺めている八東川は、恵みで溢れています。この環境に気付かないままというのも勿体ないと感じています。
そんな時に観察会というのはとても良い入口になります。教育をメインの活動にしている協力隊・宮崎さんの活躍でそういった窓口も今後広がりそうです。今後がとても楽しみな夏となりました。押しつけがましい感想かもしれませんが、夏休みの思い出の中に、ぜひ豊かな水辺の楽しさも追加して欲しいと思ってしまいますね。
(写真1) 幼稚園との観察会
(写真2)図書館との観察会
(写真3)アユの塩焼き
7月は普段活動している隼地域だけでなく、下私都のおてまめ倶楽部と済美の憩いや出張カフェ、高学年向けの夏休み体験塾「ナツキチ」の見学やお手伝いにも参加させていただきました。どの地域の利用者さん、児童も初対面の私に対して優しく接してくださり本当に嬉しかったです。
これら年齢・地域もバラバラな3箇所に参加したところ、心地よい居場所には共通した点があると感じました。それは会話の内容が明るく心の距離を自分の塩梅で調整できるゆとりがあることです。
会話の内容が明るいと自然に笑顔も増え、参加するのも楽しくなるのはもちろんのことですが、「自分がやりたいことを、やりたいように、心地よいテンポ感でできる」ということも大切だと感じました。
同じ空間をやんわりと共有して、時に制作している作品をお互いに見せ合ったり、遊びに参加したりすることで、自分の気分で心の距離を近づけたり離したりが気兼ねなくできる、そういう場が「自然と参加したくなる居場所」なのではないだろうかと考えさせられました。
私はふれあいサロンを開く際についつい「何かイベントをしなくては!」と考えていましたが、自然と足が向くような柔らかい居場所づくりにもっと目を向けていきたいと感じました。
見学、お手伝いをさせていただいた下私都おてまめ倶楽部さん、済美地区憩いやさん、ナツキチの皆さん、ありがとうございました。
(写真1) 私の地域のふれあいサロンの皆さん
(写真2)ナツキチの児童のみんな
令和7年8月2日から6日まで、八頭高校ホッケー場とヤマタスポーツパークでインターハイのホッケー競技が開催されました。
ここ数年は毎年チームに帯同し参加していますが、地元開催ということもあり特に思い出深い大会となりました。
私はトレーナーとして八頭高校男子ホッケー部、また大会補助員としても大会に関わりました。このチームは春から勝てない時期が続いておりそこにホッケーグラウンドの改修工事で満足に練習できない日も続くという厳しい状況となっていました。
選手たちはそのような苦しい時期・状況を耐え抜き、インターハイにおいては見事3位という素晴らしい成績に輝きました。これは選手の努力とチームの結束の賜物です。
優勝に届かず悔し涙を流す選手もいましたが、その悔しさを胸に、そして経験を活かしチームとしてさらに高みを目指していきます。
地元開催のインターハイでありましたが、大会を通じてチームを支えてくださった関係者の皆さまや、温かく応援してくださった地域の方々にこの場を借りて心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
(写真1)ホッケー競技開会式で選手宣誓をする八頭高ホッケー部男女キャプテン
(写真2)試合前の円陣
7月からの猛暑・少雨で農業分野をはじめ各所で影響が出ていると耳にします(執筆は8月上旬)。隊員活動は農業分野以外にも生物多様性保全や健康づくりなど多岐に渡りますが、大なり小なり影響を受けているようです。実りの秋に向け少しでも状況が好転することを祈っています。(田渕)