本文
「移住風景~八頭町地域おこし協力隊活動の現場から~令和7年7月号」を掲載しました。
私は現在、隼地区のまちづくり委員会やふれあいサロンの運営に携わらせていただいています。まだまだ駆け出しではありますが、前任者のアドバイスや地区の方の協力もあり順調な走りだしでスタートすることができました。
私が今年度ふれあいサロンを運営するにあたって意識しているポイントが2つあります。
1つは、気軽に誰でも気負わず参加できる形態、価格帯、参加時間を設定することです。サロン=老人会のような集まりと誤解されることもあるのですが、より幅広い年代の方に足を運んでいただきたいと思っています。少しでも足を運びやすいようにイベントを工夫していきますので、地区の方に気軽に遊びに来ていただけたら嬉しいです(今後は七夕や西瓜を食べる会、デザートビュッフェを計画中です)。
そして、2つ目はやったことのないことを地区のみんなと一緒に体験することです。5月はたこ焼きパーティーをしたのですが「人生で初めてたこ焼きを焼いたわ!」と話しながらみんなでたこ焼きを焼き、最後にはみなさんが立派なたこ焼き職人になっておられました。
家の中で1人で過ごしているとどうしても生活が単調になりがちで、刺激が少なくなってしまいます。そんな時に家から出るきっかけ、新しいことをするきっかけにふれあいサロンがなったら良いなと考えています。
(写真1) みんなでたこ焼き職人になりました!その1
(写真2)みんなでたこ焼き職人になりました!その2
5月31日、八東総合運動公園にて第69回鳥取県植樹祭が行われました。その中で私達も八頭町の水辺展と題して、町内の生き物を集めた水族展示を行いました。
植樹祭で水族展示というと場違い感が否めませんが、森林と水辺はとても密接に関わっています。栄養循環や水資源の保全等で森が海を守っているというのはよく聞かれる話ですが、もっと小さな視点でも直接的にリンクしています。
例えば、サンショウウオやアカガエルは山際のため池や湿地などで産卵しますが、上陸した後は山で暮らします。水辺と森林のどちらの環境もなければ生き残ることができません。また、近年では水辺から陸域に鳥類によってもたらされる栄養循環も解明されつつあります。
身近なところで言えば、池干しの際に無数に集まるサギやコウノトリは、池の中に魚という形で保存されている栄養を山へ運ぶ大切な役割を果たしていると言えます。
植樹祭というイベントを通して、水辺側から森林についてのお話が出来たのは良い機会となりました。
(写真1) 植樹祭での水族展示
(写真2)水族展示の来場者
皆さんは「菌ちゃん農法」をご存じですか?これは土の中の微生物(=菌ちゃん)を増やし、自然の力で元気な野菜を育てるという農法です。農薬や化学肥料は使わず、落ち葉や生ごみなどを活用して土づくりを行います。
映画『いただきます2』でこの農法を知り、実際に自分でも取り組んでみることにしましました。
慣れない鍬仕事や草取り、落ち葉集めなど大変なことも多かったですが、協力してくださる方々のおかげで、ようやく畑の畝(うね)が完成、菌ちゃんも畝に定着してきたようです。
早速いただいたおかひじきを植えてみました。元気に育ってくれると嬉しいですが植える時期が遅かったようなので、上手く育つのか枯れてしまうのかドキドキしつつ、とても楽しみでもあります。
私たちの体は食べたもので作られるからこそ、自分で育てた安心で元気な野菜を食べたいと思っています。農作業の大変さを実感していますがこれからも菌ちゃん農法を続けていきたいです。
(写真1) 菌ちゃん農法で作った畑の畝
(写真2)おかひじき
夏至も過ぎ本格的な夏を迎える中、様々なイベントの準備が進みつつあります。隊員には町のイベントを手伝ってもらうこともあれば、自らでイベント企画をしてもらうこともあります。町との関わりや隊員相互の交流が新たなアイデアの源泉になってもらえればと思っております。(田渕)