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男女共同参画「無意識の思い込みエピソード募集」入賞作品の発表について
男女共同参画センター「かがやき」では、「男は仕事、女は家庭」「子育ては母親がするものだ」など、性別による固定的な役割分担意識に関する疑問に気づき、知ってもらうためにエピソード募集を実施しました。選考会で厳正な審査を行った結果、以下の6作品が選ばれました。
入選作品は男女共同参画センター「かがやき」で展示しています。
最優秀賞(1名)
育児って結局誰がするの?(ペンネーム グッドラックさん)
私は小さい頃よくNHKのテレビ番組「おかあさんといっしょ」を見ていました。その当時の私にとっては毎日見ることが日課で保育園から帰ってきたらすぐ見ていたそうです。
高校2年生になって日本の政治・経済・憲法等について学ぶ公共※の授業が始まりました。ある日、約10年前の新聞記事の番組表から「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」を探すという授業を行いました。番組表に目を通しているとき、私の視界に「おかあさんといっしょ」という文字が入りました。私はふと、これはアンコンシャス・バイアスに該当するのではないかという疑いをかけました。小さな頃から馴染みのあった番組名。実は私は知らぬ間に無意識の偏見の沼にはまっていたのだなと気づいたときハッとしました。
思い返してみれば「おとうさんといっしょ」という番組が徐々に開始されたということを思い出しました。育児に男女は関係ないと感じさせられた授業でした。
(※公民の中の科目の一つ)
優秀賞(2名)
男性には言ってもいいの?(ペンネーム 結束だんごさん)
結婚する・しないの選択は個人の自由だし、様々な事情により結婚できない人もいる。
ある日、上司に独身男性であることをからかわれたが、上司は、同僚の独身女性には何も言わなかった。そこで、なぜ自分にだけ言ったのか尋ねたところ、「女性に対してそんな失礼なことを言えるわけないだろう」と当たり前のように言われ、それ以上何も言い返せなかった。
男性(女性)には言ってもいいとか、言ってはいけないとか、未だにそういう風潮が残っていると思います。相手を思いやる気持ちに、年齢や性別は関係ありません。八頭町が先頭に立って、推進してほしいです。
男の子がピンクじゃダメなの?(ペンネーム あゆさん)
幼稚園児の息子は、昔からピンクや紫といった可愛い色が大好き。
ある日、ピンクの靴で祖母の家を訪れると、「なんだいや、そのピンクの靴は?」と祖母に嫌味っぽく言われてしまいました。しまいには「そんな靴はいけんわいや!」と言われてポカーンとする息子。
黄色の靴を履いているといい靴だと言われる。男の子がピンクを選んで身につけていても「素敵」と思ってもらえるような世の中になって欲しいと思いました。
入選(3名)
私がするのですか?(ペンネーム まるまるこさん)
「はい。」と渡された紙コップ。
これはある会合の出来事です。コロナ禍で会合にお茶も出なかったことが長く続き、コロナが5類への移行を受けて久しぶりに紙コップにお茶を入れて出しました。会議終了後、ある男性役員さんが「はい。」と当たり前のように飲み終わった紙コップを私の前に。
私たちが準備したお茶だから?女性だから?少し若いから?など少しもやもやしながら考えました。「お願いします。」とか「ありがとう。」などあればよかったかも…
当たり前のように「はい。」という態度は、日常どこでもあることかもしれません。集まった10数名の中には自分で使ったものは持ち帰る方もありました。
男女共同参画社会というのは、誰もが認められて住みやすい社会のこと。今回はあまりに突然すぎて言えなかったけれど、今度は言おう「私がするのですか?」と。
子どもの気持ち(ペンネーム おばばさん)
今から随分前、家族で泊まりがけで岡山の遊園地に行った時の出来事でした。長男が7才、長女が4才ぐらいの頃だったと思います。
しっかり楽しんでホテルに着き、ゆっくりしたい夫は少し休んでからお風呂に行くと言うので、私は二人の子どもを連れて浴場に行きました。もちろん女湯です。準備でき、これから娘を連れて入浴をと思った時です。長男が服も脱がずにどことなく様子が変なのに気がつきました。「どうしたの?」と聞くと突然長男がはっきりと怒ったように言いました。「おれは男だ‼」と。私は「子供だから大丈夫、一緒に入ろう」と言っても聞きません。スマホもケイタイもない時。ひとりで部屋に帰れるか心配でしたが私の心配もよそに無事夫のいる部屋に帰ったようでした。今でもその時の一言が忘れられず、子どもの気持ちを悟った出来事でした。
フリルのパジャマを着る息子(ペンネーム つなまよさん)
私には4歳の男の子がおります。坊主頭が似合う、とてもやんちゃな子です。先日、その子のパジャマを買いました。買う時は袋に入っていて形は見えなかったのですが、水色だし、男の子用だと思っていました。しかし開けてみると、袖がフリルになっていて、どうやら女の子用でした。
「ごめんね、間違えてフリフリの買っちゃったから、男の子用のを買い直すね。」と伝えると、「ぼくこれ着るー。」と言い、着てみて気に入ったようでした。
そこで私はハッとしました。子どもは男の子用、女の子用なんて、気にしないのですね。普段から性別による差別はしないように私は気を付けていましたが、無意識にフリルの服は女の子用で水色は男の子の色だと決めつけていたようです。
本人が着たいなら、着ればいいか、と思いましたが、これがパジャマではなく、外に着ていく服なら、どうだろう?私は世間の目を気にして、着るのをとめるだろうな、とも思いました。そういうことを気にせず好きな服装ができる世の中になったらいいな、と感じた出来事でした。