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自治基本条例
八頭町では、町民参画や町民・議会・行政の協働によるまちづくりを進め、「町民が主役のまちづくり」を実現するため、これまで「まちの憲法」とも呼ばれる「自治基本条例」の制定に向けた取り組みを行ってきました。平成24年第11回八頭町議会定例会(12月定例会)において「八頭町自治基本条例」が可決され、平成25年1月1日から施行(一部の条項を除く)されましたので、条例の内容などについてお知らせいたします。
八頭町自治基本条例[PDFファイル/131KB]
八頭町自治基本条例(逐条解説付き)[PDFファイル/262KB]
「自治基本条例」とは?
「自治基本条例」は、地域課題への対応や政策の実現などのまちづくりを『誰が・どのような役割を担い・どのような方法で決めていくか』など、まちづくりの基本的な考え方やルール、「町民・議会・行政」の役割や責務、また、町民参画や協働の仕組みなどを定める条例です。
まちづくりの基本的なルールを定める条例であることから、「まちの憲法」とも呼ばれます。
「自治基本条例」はなぜ必要?
社会情勢や生活環境が目まぐるしく変化する今の時代では、様々な地域課題が発生し、住民ニーズも多様化していますが、この地域課題や住民ニーズは、それぞれのまちによって異なり、全国統一的な事項を規定する憲法や法律だけでは、これらの課題を解決することが難しい状態となっています。地方分権・地域主権が進んでいくなかで、国・都道府県・市区町村が並列・対等関係となり、地方にもある程度の権限と財源が与えられるようになりました。そのため、「私たちのまちをどんなまちにしていくのか」を自分たちで考え、決定し、責任を持って行うことが求められています。また、まちづくりにおいては、「町長の指導力など、その個性に負うところが大きい」という場合もあり、その時々の状況によっては、まちづくりの度合いが異なることも考えられます。そこで、自分たちのまちの課題を自分たちで解決するため、そして、継続的で統一性を持ったまちづくりや地域の特性を活かしたまちづくりを行うために、まちづくりにおける基本的なルールを定めた「自治基本条例」が必要なのです。
条例ができるとどうなる?
町民・議会・行政それぞれの責務や役割、町民参画や町民・議会・行政の協働の仕組みなど、まちづくりの基本ルールを条例として目に見える形に(条文化)することで、町民・議会・行政が同じ目標に向かって協力しながら、町民の意思がよりまちづくりに反映されるような「町民が主役のまちづくり」を実現しようとするものです。また、町民参画の仕組みや行政運営の基本原則などを明らかにすることによって、町民の皆さんの意見をまちづくりに反映し、計画的・効果的で、透明性の高いまちづくりを推進することができます。
制定までの取り組み
「八頭町自治基本条例(仮称)策定委員会」(平成21年3月~)
平成20年8月に職員による「自治基本条例検討プロジェクトチーム」を結成し、10回以上に渡って会議を開催、条例について検討を重ね、条例のたたき台を取りまとめました。その後、平成21年3月には、町民委員を中心に構成する「八頭町自治基本条例(仮称)策定委員会」を設置し、計28回に渡って条文や逐条解説、また、条例制定に向けた取り組みなどについて検討していただきました。策定委員会では、「いかに町民の意思を反映したまちづくりができるのか?」という点を中心に条文の検討を行っていただき、平成23年12月には、逐条解説付きの条例案を取りまとめていただきました。
また、議会からも幅広い意見をいただき、町民・議会・行政が協力して条例の制定に向けた取り組みを進めてきました。
「平成22年度行政懇談会」を開催(平成22年10~11月)
町内14ヵ所の会場で開催し、計400名の町民の皆さんに条例素案の報告を行いました。
たくさんのご参加ありがとうございました。
「町民意見公募(パブリックコメント)」を実施(平成22年12月)
検討の途中段階では、「広報やず平成22年12月号特集号」として条例素案(逐条解説付き)を全戸配布し、同時に町民意見公募(募集期限:H23.2.10)を実施しました。
多くのご意見ありがとうございました。
お寄せいただいた意見は、策定委員会で検討し、その結果を「広報やず平成23年5月号」に掲載しました。
- 「条例素案・パブリックコメントの実施」(広報やずH22.12月特集号)[PDFファイル/1.32MB]
- 「パブリックコメントの意見内容と回答(概要)」(広報やず平成23年5月号)[PDFファイル/299KB]
「八頭町自治基本条例フォーラム」を開催(平成23年2月5日)
条例の素案に対する町民意見公募(パブリックコメント)の実施と併せて「自治基本条例フォーラム」を開催し、町民の皆さんへの周知と意見集約を行いました。フォーラムでは、基調講演やパネルディスカッションを行い、条例の意味や条例の検討過程などについて説明を行いました。
たくさんのご参加ありがとうございました。
「八頭町自治基本条例フォーラムの開催」(広報やず平成23年3月号)[PDFファイル/286KB]
自治基本条例の特徴
- 町民の皆さんに親しまれるよう「です・ます」調としています。
- 八頭町の環境や歴史、まちづくりの方向性や条例制定の決意などを明らかにした「前文」を設けています。
- 八頭町における「まちづくりの最高規範」であることを明確にしています。
- 「町民自らが考えた条例」となっています。
町民参画や町民・議会・行政の協働によるまちづくりを進めるという自治基本条例の主旨から考えても、「町民自らが考えた条例」であることに意義があり、今まで町民委員を中心とした「八頭町自治基本条例(仮称)策定委員会」で検討を重ねてきました。
条例には何が書いてある?
情報共有
まちづくりの第一歩は、まちに関する情報を「知る」ことから始まります。町は、情報を適切に管理しながら、まちづくりに関する情報を町民の皆さんと共有することを規定しています。
町民参画
町民の意思をよりまちづくりに反映させるためには、町民参画が必要です。町民の皆さんの参画機会の保障や町民意見の取り扱いについて規定しています。
町民・議会・行政の責務・役割
それぞれの責務・役割を明らかにし、協働してまちづくりに取り組むことを規定しています。
住民投票
町民が投票による意思表示を行うことで、直接まちづくりの意思決定に参加する住民投票について規定しています。(この条例は、八頭町のまちづくりの基本ルールを定めたものですが、もちろん、憲法や地方自治法などの法律に基づいた内容となっています。)
今後の取り組みについて
参画と協働によるまちづくりの推進
条例が制定されたことで、八頭町におけるまちづくりの基本的な考え方やルールを条文として目に見える形にすることはできましたが、今後は、自治基本条例の趣旨や内容などをさらに町全体に広めていく活動が必要です。また、町民の皆さんがまちづくりに関わっていただける機会を増やしたり、新たな協働のルールづくりや仕組みづくりを行い、参画と協働によるまちづくりをさらに進めていく必要があります。
他の条例・規則などとの整合性
第32条では、「この条例の趣旨を尊重し、他の条例、規則、計画等との整合性を図ります。」と規定しています。法体系上では、個々の条例に優劣や高低はありませんが、この条例は八頭町におけるまちづくりの最高規範であるため、条例・規則などの例規や総合計画をはじめとする様々な計画を策定する場合には、この条例の趣旨に沿ったものにする必要があります。例えば、第30条に規定されている「住民投票」については、未だ条例が制定されていませんので、今後、住民投票の実施に関する手続などの必要な事項を定めた条例などを制定する必要があります。また、既に策定している例規や計画でも、この条例の趣旨に沿わない部分があれば、改正や見直しを行う必要があります。
自治基本条例の見直し
第33条で「この条例の施行の日から4年を超えない期間ごとに、この条例の内容について検討を行い、その結果に基づいて必要な見直しを行います。」と規定しているとおり、条例制定後においても、条例の内容が社会情勢に適合しているかどうか、役割を十分に果たしているかどうかなどの検討をその都度行っていくことが必要であり、「4年を超えない期間」という定期的な期間で条例内容の検討を行い、見直しが必要な場合は改正を行っていきます。
見直しについて
自治基本条例の見直しについて
自治基本条例第33条で、「この条例の施行の日から4年を超えない期間ごとに、この条例の内容について検討を行い、その結果に基づいて必要な見直しを行います。」と規定されており、平成28年8月に“八頭町自治基本条例検証委員会”において、検証作業を行っていただき、平成28年10月20日に「八頭町自治基本条例の見直しに関する提言書」をご提出いただきました。
検証結果では、施行日以降、条例に影響を及ぼすような大きな社会情勢の変化は見られず、特段、改正する要素が散見されないことから、この度は条例の見直しは必要ないとの結果と運用面に対するご意見を提言いただきました。(提言書は次のとおりです。)